―― 閾: 声、生 … 零度の詩文、あるいは非‐詩学



【要 約】
近代国語学の周辺で定式化された〈詞/辞〉の対概念や、実験音楽におけるsilenceの位相、現代美術におけるready-madeの手法などを参照しながら、言葉の閾で不断に生成しつつある「詩」のありようを捉え、その「作品」を提示する。


【付 記】
偶然的進化の所産としての芸術システム(人間学‐生政治機械*1の作動圏)のうち、所与の「詩」形式を起点にとり、「文学」へと現働化されていない言語の非有機的生へと逆行する操作を経て、〈詞/辞〉の律動からなる前個体的な「声」にいたる。ことばの閾で「別に一体」(子規)の徴候を探索する。


公開研究会 「野外をゆく詩学 17」 2018年1月19日
多摩美術大学 芸術人類学研究所








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*1:または「人類学‐生政治機械」。一方の「人間学〔人類学〕機械 anthropological machine」は、生の諸形式のあいだの、とりわけ人間と人間ならざる生とのあいだの区別を不断に限定しなおす。他方の「生政治機械 biopolitical machine」は、人間の言葉の場合、「単なる声 φωνὴ ἁπλῶς」(アンモニオス・ヘルメイウ)を言葉の内に包摂することで、その自然的な生を排除する。